2019年10月5日、予選プールの第3戦。サモア戦を回想します。

もうじっとしていられない、いざ京都へ!

 2019年9月28日(土)のアイルランド戦歴史的勝利の1週間後、2019年10月5日(土)にサモア戦が行われました。今回の大会で結局チケットを買わなかった私は、焦っていました。残りの予選2試合を自宅のテレビ観戦で終わらせていいのだろうか?いやいいはずがない。競技場で生で観ることができない後悔の念が押し寄せ、自責の念に駆られていました(2020年10月の現在もそれらは変わりません)。

 せめてパブリックビューイングで他の人たちと一緒になって盛り上がって応援したいと思い、ネットで検索したところ、見つけました。これです、「ラグビーワールドカップ2019 パブリックビューイングin京都」

 ラグビー好きの大阪と兵庫に住む大学時代の先輩2人にも連絡をとり「よっしゃ、いくでー!」ということになり、当日会場近くの駅で待ち合わせました。私は岐阜から車で向かいました。

 試合は38対19で日本が勝利しましたが、試合の話の前にこの「サモア」という国について少し書きたいと思います。

昔は「西サモア」だったはず。いつから「サモア」に?

 昔からラグビーをご覧になっていた方には「サモア」よりも「西サモア」の方がしっくりくる方もいらっしゃるのではないでしょうか?私もそのひとりで、「あれ~、そういえばいつから西サモアじゃなくてサモアになったのだろうと、気にはなっていたのですが調べてみるまでには至っていませんでした。
まずは場所ですが、
(クリックまたはタップでマップが別画面で開きます)

 上のマップを見ていただければわかるのですが、ズームアウトすると南にはトンガ、西にはフィジーがあり、そしてすぐ東には「アメリカ領サモア」なるものが存在します。

 それでは次にサモアの概要について見ていきましょう。

・公用語:サモア語、英語
・首都:アピア
・最大の都市:アピア
・首相:トゥイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ
・面積:総計 2,944km2(167位)水面積率 0.3%
・人口:総計(2016年) 195,843人(千葉県八千代市と同じぐらい)
・人口密度:60人/km2
・独立: ニュージーランドから(1962年1月1日)
・通貨:タラ(WST)2020年10月13日時点 1タラ(WST≒40円)

 

  年月                略史
1722年    オランダ人探険家Roggeveenが視認
1768年    フランス人航海者Bougainvilleが上陸
1860年代~  アピアが捕鯨船補給港として繁栄、ドイツ、英国、米国、が勢力を競う
1899年    ドイツが西サモア(現在のサモア独立国)、米国が東サモア(現在の米領サモア)を領有
1919年    西サモア、ニュージーランドの国際連盟委任統治地域となる
1945年    西サモア、国際連合信託統治地域となる
1962年1月1日 西サモア独立(但し独立記念日は6月1日)
1997年    国名をそれまでの「西サモア独立国」から「サモア独立国」に変更

1860年代に現在の首都であるアピアが捕鯨で栄えていたため、それに目を付けたドイツ、イギリス、アメリカが奪い合ったということでしょうか。そしてドイツとアメリカでサモアを領有することとなり、西サモアと東サモアに分かれたようです。その後、1919年に国際連盟から委任を受け、ニュージーランドが西サモアを統治することになり、さらに1945年に国際連合が信託統治したとのことです。1962年に独立し、1997年に「西サモア独立国」から「サモア独立国」になりました。東サモアはいまだにアメリカ領なんですね。

 というわけで、「西サモア」から「サモア」になったのは1997年のワールドカップからでした。すっきりしました。

 それでは試合の方に行ってみましょう。

やはり日本代表は強かった。

 今まで目にしたことのない桜のジャージを着たお客さんの数。なんといいましょうか、今回のワールドカップでは「にわかファン」とうのが話題になりましたが、見ていて大変微笑ましく、また羨ましい存在でした。中川家のお兄ちゃんの方の剛が、「怖くて試合が観れないから、試合が終わるまで家に帰れなかった」というようなことを言っていました。中川家の二人は共にラグビー経験者であり、ラグビーが大好きです。少しかじっただけの私でもやっぱり少し怖かった。ロシア戦ぐらいであれば「まあ負けることはないだろう」という気持ちで臨むので大して怖くはないのですが、やはり前回のアイルランド戦ともなると、怖くて直視できないという部分が少なからずありました。おそらく日本代表が負けることで、日本代表を応援してくださる全ての皆さんに失望感を与えてしまうことに、恐怖を感じていたのかもしれません。ところが「にわかファン」と今回呼ばれた皆さんはどうでしょう?実にラグビーを楽しんでおられる。結局は日本代表の頑張りと「にわかファン」と呼ばれた人たちの素晴らしい言動によって、2019年の日本大会はワールドカップ史上稀にみる大成功を収めることとなりました。本当にありがとうございました。おそらくラグビーに深く精通している人ほど、純粋に楽しめなかった自国開催だったと思います。

 さて試合の方はと言いますと、予想に反して接戦でした。最終的には38対19と、日本はボーナスポイントが獲得できる4トライを上げ、ダブルスコアで勝利しました。だいぶ涼しかったこともあり、サモア代表の選手の体力消耗が少なかったのと、やはりサモアの選手はデカい。破壊力抜群のフィジカル軍団がどんどん前に出てくるので、わかっていてもなかなか止められるものではありません。どちらかというとこういうタイプは日本が苦手としているところだと思います。結局勝敗を分けたのはやはり「規律」の部分でしょうか。個々のパワーでガンガン来るサモアに対し、規律で上回る日本が組織力で勝ったというところだと思います。

 しかし僅か20万人程の小さな国であるにもかかわらず、ワールドカップ常連国、すごいですよね。みんなラグビーを始めたときはフィジーやトンガと同じように、ニュージーランド・オールブラックスを目指すそうです。ちなみにラグビーを国技とする国はニュージランド、南アフリカ、フィジー、トンガ、そしてサモアです。日本もいつの日かラグビーが国技になるほど人気スポーツになってくれればいいのになと真面目に思ってしまいます。ラグビーの精神は、どこの国よりも日本人に合っていると思うのですが。

 それでは今回はこの辺で。次回は日本にとっての決勝戦、「スコットランド戦」です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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