パラオ共和国にあるペリリュー島。真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海に囲まれた、まさに南の楽園のような島ですが、ここはかつて、日米両軍が激しくぶつかり合った戦場でもありました。
私は2024年の3月末から4月初めにかけてパラオを訪れ、パラオ本島からペリリュー島へ3日間連続で渡り、島に残る戦跡を一つひとつ記録してきました。
ジャングルに覆われた壕や砲台跡、当時東洋一といわれた飛行場滑走路、そして静かに佇む慰霊碑――それらすべてが、かつての戦いの重さを今に伝えていました。
『パラオ共和国 ペリリュー島 日本とアメリカが戦った南洋の要塞島 戦跡図鑑』を出版しました。
この図鑑は、現地で撮影した写真とわかりやすい解説を通じて、ペリリュー島の戦跡とその背景を紹介する一冊です。
洞窟陣地や砲台、戦車の残骸など、今も島に残る戦争の痕跡を丁寧に記録しました。
すべての漢字にルビ(ふりがな)を振っており、10歳くらいのお子さんからご年配の方まで、誰でも読みやすい内容になっています。難しい歴史用語を極力避け、平易な言葉で「戦争の記録」に触れられるよう工夫しました。
写真を選び、文章を整え、見せ方を考えながら、少しずつかたちにしてきた一冊です。1年以上の時間を要し、ようやく出版できたことに、今は静かな達成感を感じています。
私が本書を通して伝えたいのは、単なる「戦争の悲惨さ」や「平和の大切さ」だけではありません。なぜ勝てる見込みのない戦いにもかかわらず、日本兵たちは玉砕覚悟で最後まで戦ったのか――。そこに込められた信念や覚悟、そして日本人としての誇りと精神の強さを、次の世代にも感じ取ってもらいたいという思いで制作いたしました。
遠く離れた南の島に残された「記憶」。この図鑑が、戦争や平和、そして日本人というものについて考えるきっかけになれば嬉しいです。ぜひ手に取っていただけたらと思います。
パラオ共和国 ペリリュー島 日本とアメリカが戦った南洋の要塞島 戦跡図鑑 |
![]() |
amazonにて販売中 |
![]() |
※2025年12月5日より、ペリリュー島の戦いを描いたアニメーション映画『ペリリュー-楽園のゲルニカ-』が映画館で公開されます。 |