2019年10月20日、決勝トーナメント第1戦。南アフリカ戦を回想します。

ラグビー南アフリカ代表「スプリングボクス」

 いよいよベスト4入りを掛けての南アフリカ戦ですが、ちょっとその前に。

 南アフリカの愛称ですが、その名を「スプリングボクス」といいます。ラグビーの代表チームには、ほぼすべてのチームに愛称があります。下記にまとめてみましたので、ご覧ください。

各国代表チームの愛称
代表チーム 愛 称 意 味
日本 ブレイブ・ブロッサムズ 最初は「チェリー・ブロッサムズ」であったが、勇敢な戦いっぷりから「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢なる桜の戦士たち)」と呼ばれるようになりました。
ニュージーランド オールブラックス 黒いジャージの色から来ているのは間違いないが、「オールバックス(ALL BACKS  全員がバックスのようなスピードで動き回る)」とを間違えて「オールブラックス」と呼んでしまったという説もある。テレビ中継では常に画面をニュージーランドの黒いジャージが埋め尽くしていることから「黒い絨毯・オールブラックス」といわれていたこともあります。
南アフリカ スプリングボクス ウシ科スプリングボック属に分類される偶蹄類。鹿みたいな動物です。国のシンボルマークである動物の名前。
オーストラリア ワラビーズ オーストラリアを代表するカンガルー科の小型動物の名前。
アルゼンチン ロス・プーマス 本来は「ジャガー」なのであるが、1960年にアルゼンチン代表が南アフリカに遠征に行った際、地元の記者が「プーマ」と誤報したことがそのまま広まってしまったとされています。
ウェールズ レッドドラゴンズ ウェールズの国旗に描かれる「赤い竜」が名前の由来。「赤い悪魔・レッドドラゴンズ」と呼ばれる。
フランス レ・ブルー ジャージが青色だったことから「レ・ブルー」と呼ばれるようになりました。「レ」は英語でいうところの「ザ」の意味。
イングランド レッドローズ ジャージのエンブレムである「赤いバラ」がそのまま愛称になってます。
ジョージア レロス ラグビーによく似た「レロ」という民族スポーツから付けられた。
イタリア アズーリ イタリア語で「アズーリ」とは「青の複数形」という意味。団体競技の男子代表はすべて「アズーリ」と呼ばれています。
ロシア ベアーズ エンブレムが熊であることから「ベアーズ」と呼ばれています。
フィジー フライング・フィジアンズ 変幻自在のパスワークとランニングから「空飛ぶフィジー人=フライング・フィジアンズ」と呼ばれるようになりました。
トンガ イカレ・タヒ エンブレムになっている「ウミウシ」の意味。
サモア マヌ・サモア 直訳すると「サモアの獣たち」という意味で、試合前に行う舞踏「シヴァタウ」の歌詞。
ナミビア ウェルウィッチアス 「ウェルウィッチア」という植物の名前から来ている。ナミビアのナミブ砂漠に分布する。1対のみの葉を伸ばし続ける特異な形態を持ち、寿命は非常に長く、1000年以上は生き、長いものでは2000年を超える可能性があるといわれる植物。こんな感じです。
アメリカ イーグルス 言わずと知れたアメリカを象徴する鳥である「鷲(わし)」。エンブレムでもある。
ウルグアイ ロス・テロス ウルグアイの国鳥「ナンベイタゲリ(テロ)」から来ており、この鳥は警戒心が強く勇敢な攻撃をするという。
カナダ メープル・リーブス メープル=カエデ、リーフ=葉。カナダの国旗が「カエデの葉」であることから、こう呼ばれる。
アイルランド 愛称なし 代表のエンブレムは「シャムロック(マメ科のクローバー)」。
スコットランド 愛称なし 代表のエンブレムは「スコットランドの国花である「アザミ(キク科)。

 いかがでしょうか?我ら日本代表の「ブレイブ・ブロッサムズ」、かっこいいではありませんか。個人的にはやはりニュージランド「オールブラックス」は別格ですね。ちなみにエンブレムは鳥の羽ではなく、「シルバー・ファーン=銀のシダ(植物のシダ)」です。このオールブラックスのエンブレムは、少し前にニュージーランドの国旗になるかならないかのところまでいったのですが、結局これまでの国旗デザインが続投されました。ウェールズの「レッドドラゴンズ」もめちゃめちゃかっこいい!

今回はラグビーの聖地、花園ラグビー場でパブリックビューイング!

 三週連続で岐阜から関西に車を走らせました。南アフリカ戦はラグビーの聖地「花園ラグビー場」です。私は2019年の2月まで、この花園ラグビー場から歩いて5分以内の場所にすんでいました。久しぶりに東大阪に戻ってきて懐かしかったです。昼頃ラグビー場に着いたのですが、もうすでにたくさんの人が行列を成していました。

 ラグビー場に入り席に着きました。

 ほんと、いまだにこの2019年の出来事が夢のようです。ラグビーでこんなに日本がひとつになれたなんて。

 この時の私の心境はおそらく次のような感じだったと思います。

・予選を全勝で終え、ベスト8という目標を達成した日本、本当にお疲れさまでした!

・もう私たちは十分楽しみ、感動させてもらいました。

・もうこれ以上贅沢は言いません、ラグビーを存分に楽しんでください。

・ただ一つだけわがままを言わせて頂けるなら....

・「どうか、勝ってください!

これで終わってしまうことの寂しさに、到底耐えられるものではありません。凄まじい「ラグビーロス」に見舞われることは必至!それを思うとただただ寂しくて寂しくて、もう明日からどうやって生きて行けばいいのやら。

 さあ、いよいよ南アフリカ戦が始まります。

日本にはもうすでに、戦う力は残されていなかった。

 前半こそはなんとか3対5のスコアで、2点のビハインドで折り返したものの、後半はペナルティを重ね、トライも2本許し、日本は得点すらできないままノーサイド。3対26で日本代表のワールドカップ2019は幕を閉じました。

 正直、日本には南アフリカと戦う力は残されていなかったと感じました。試合前の期待感はすぐに悲愴感へと変わって行きました。今大会から観戦を始めた通称「にわかファン」の方々は、初めて日本代表が負ける姿を目にしたことになります。古くからのファンにとっては見慣れた光景でしたが、通称「にわかファン」の目にはどう映ったのでしょう。もちろんこれまでの負けとは次元が違います。

 私が思ったのは、「なるほど、これがベスト8に命を賭けてきたチームと、はなっから頂点のみを目指してきたチームとの違いなんだ」ということです。日本代表は本当によくやってくれました。しかし力尽きました。初めての決勝トーナメント進出に、どんな気持ちで臨み、何をすればいいのかなんて、わかるはずもありません。彼らはすでに目標を達成してしまいました。今更急にその上を、またさらにその上を目指すなんて、簡単に言葉で発することはできても、本心からそれを信じてチャレンジすることはもはや不可能でしょう。心の底から信じ切れない以上、勝利の可能性はゼロです。南アフリカに勝って決勝トーナメントを勝ち上がるということを、信じ抜けるだけの準備を日本代表はやってきていません。ただ選手たちは相当悔しそうでした。私も悔しかった。でも次があります。2023年フランス大会では必ずや、更なる高い目標を達成してくれることでしょう。

 今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は2019ラグビーワールドカップの総括及び、ラグビーというスポーツについてもう一度考えてみたいと思います。

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