2019年9月20日、予選プールの第1戦。ロシア戦を回想します。
感動の開会式_WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)
2019年9月20日金曜日、遂にラグビーワールドカップが開幕しました。楽しみではあるものの不安が一杯。まずは開会式からです。感動です。何が素晴らしかったってもう「歌」です。ラグビーワールドカップの公式テーマソングである「WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)」です。子供たちが歌うこの曲、美しい歌声、神聖な雰囲気に会場が包まれます。そしてテレビに字幕で日本語訳が表示されるのですが、その歌詞が実に素晴らしい。若干異なる部分があるかもしれませんが、その歌詞の内容は下記の通りです。
There’s a dream, I feel So rare, so real
私には大きな夢がある とても大切なすばらしい夢All the world in union The world as one
すべて国々が結びついて ひとつの世界になることGathering together One mind, one heart
あらゆる人々が手をたずさえ ひとつの思い ひとつの心にEvery creed, every color Once joined, never apart
すべての信条 すべての肌の色が 垣根を越えてひとつに集まるSearching for the best in me I will find what I can be
自らの可能性を探りながら それぞれの力を発揮していくIf I win, lose or draw there’s a winner in us all
勝っても負けても引き分けても みんなの心に勝者が宿るIt’s the world in union The world as one
世界の国々が互いに結びついて ひとつのゆるぎない世界にAs we climb to reach our destiny A new age has begun
運命をつかもうと努力するなら 新しい時代がひらけていくWe face high mountains Must cross rough seas
険しい山を越えようとも 荒々しい海を渡ろうともWe must take our place in history and live with dignity
いつか来る輝かしい日のために 誇りを持って進んでいこうJust to be the best I can sets the goal for every man
持てる力をすべて出しきり ともにゴールを目指すならIf I win lose or draw It’s a victory for all
勝っても負けても引き分けても みんなが勝利を手にするIt’s the world in union The world as one
世界の国々が互いに結びついて ひとつのゆるぎない世界にAs we climb to reach our destiny A new age has begun
運命をつかもうと努力するなら 新しい時代がひらけていくIt’s the world in union The world as one
世界の国々が互いに結びついて ひとつのゆるぎない世界にAs we climb to reach our destiny A new age has begun
運命をつかもうと努力するなら 新しい時代がひらけていく
いかがでしょうか?これだけでもう涙腺崩壊です。「何なんだラグビーって!」と改めて思いました。ラグビー憲章にはコア・バリュー(中核となる価値観)として次の5つが謳われています。
①【品位 INTEGRITY】:品位とはゲームの構造の核を成すものであり、誠実さとフェアプレーによって生み出される。
②【情熱 PASSION】:ラグビーに関わる人々は、ゲームに対する情熱的な熱意を持っている。ラグビーは、興奮を呼び、愛着を誘い、グローバルなラグビーファミリーへの帰属意識を生む。
③【結束 SOLIDARITY】:ラグビーは、生涯続く友情、絆、チームワーク、そして、文化的、地理的、政治的、宗教的な相違を超えた忠誠心へとつながる一体的な精神をもたらす。
④【規律 DISCIPLINE】:規律とはフィールドの内外においてゲームに不可欠なものであり、競技規則、競技に関する規定、そして、ラグビーのコアバリューを順守することによって表現される。
⑤【尊重 RESPECT】:チームメイト、相手、マッチオフィシャル、そして、ゲームに参加する人を尊重することは、最も重要である。
調べてみると「ラグビー憲章」が制定されたのは2003年と比較的新しく、上記の5つの言葉が初めて登場するのは、さらに6年後の2009年だということです。まだ最近の話か、と思われるかもしれませんが、これらのことは昔から「不文律」としてラグビー精神に宿っていたものなのでしょう。「不文律」とは「文章の形をとっていない、決まり」のことで反対語は「成分律」で、「文章で表現されている、決まり」ということになります。余談ですが、法律の勉強をされた方の中にはご存じの方も多いと思いますが、日本とイギリスは共に憲法を持っています。日本には文章で明文化された憲法があるのに対し、イギリスには文章で表現された憲法は存在しません。日本の憲法を「成文法」というのに対してイギリスの憲法を「不文法」と言います。このことを考えると、近年になるまでラグビー憲章という形で明文化されていなかったのは、なるほどイギリス発祥のスポーツだからなのかなぁと、妙に納得してしまいます。
憲法の話はさておき、「WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)」という歌に込められた思い(想い)は本当に美しいものです。もっともっと世界中に広まって行けば良いのになと心の底から思います。いろいろと意見の分かれるラグビーの代表資格の要件の問題(外国人・外国出身者が半分もいるのに日本代表といえるのか)も、「WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)」と5つのコア・バリューを理解すると見えてくるものがあります。「ラグビーという競技は、国と国が戦い勝敗を決めることに価値を置いているのではなく、人種や宗教の垣根を越えて一つになること、その理想を競技という形で具現化したものである」という捉え方もできるような気がします。純粋にその国の代表は、その国で生まれた者のみで構成されなければならないとするならば、ただそれは国と国の間で優劣を決めるだけの競技になってしまいます。「人種や宗教の垣根を越えて一つのチーム(ONE TEAM)になって戦うということ」、「勝っても負けても引き分けても みんなの心に勝者が宿る」という歌詞、深い、深すぎます。ラグビーはまさに哲学ですね。
「私には大きな夢がある とても大切なすばらしい夢 すべて国々が結びついて ひとつの世界になること」、たかがスポーツにそんな力ある訳ないなんて思わないで、信じてみたいです。
ラグビーそのものの素晴らしさについて考えるのは、また後々の機会にするとして、2019ラグビーワールドカップ日本大会の開幕戦である「日本 VS ロシア」の感想について書きたいと思います。
試合開始直後からガチガチの日本代表
やっぱり選手たちには相当なプレッシャーがあったのでしょうか、試合開始からしばらくの間、ミス連発でビックリしました。このような状況でも日本がロシアに負けることは絶対に無いと私は思っていたので、危機感は全く無かったのですが、自国開催の重圧というのは計り知れないものなのだなあと、改めてことの重大さを認識しました。
終わってみれば松島が3トライを上げ、30対10と日本の圧勝で終わった訳ですが、試合後のインタビューで、10番(スタンドオフ)の田村選手が「10日前から全然眠れなくて」というコメントをされてました。「この試合(ロシア戦)が早く終わって欲しかった」というようなコメントも言っておられたと思いますが、普段緊張することがほとんど無いという田村選手ですら、これ程の重圧を抱え緊張していたのですから、他の選手の重圧・緊張も相当なものだったと思います。
まあロシア戦に関しては順当に日本が勝ち進んだということで、問題は次戦のアイルランド戦です。ワールドカップ開幕時には世界ランク2位でしたが、そのちょっと前には世界ランク1位だったアイルランドです。正直、現実的に考えてちょっと勝つのは難しいだろうと私は思っていました。恐らくラグビー経験者の人や古くからのラグビーファンは皆そう思っていたと思います。それがまさかまさかの....
それでは本日はここまでにします。アイルランド戦については次回ということで。ここまで読んで頂きありがとうございました。
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